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現代教養文庫
『歌謡曲話』
 長田暁二 著
『歌謡曲おもしろこぼれ話』カバー
愛情をこめてつづる知られざる逸話の数々。
歌手、作詞家、作曲家、ディレクターたちの素顔と数々の人間ドラマ!
あなたの口ずさむ歌、得意のカラオケの歌の誕生にこんな秘密が隠されていた!

 いつの時代にも、世相を彩り、人びとの心に残る歌があります。こうした歌謡曲の裏側に隠れているエピソードや歌い手をめぐる様々な秘話を、歌謡界の生き字引的存在である音楽文化研究家の著者が詳しく紹介します。
 本書はまた、歌謡曲を風俗としてとらえるだけでなく、社会的な存在としてとらえ、時代の変遷とマスコミの発展のなかで歌謡曲がどのように“変容”をとげてきたかをも的確に語っています。歌謡史エピソード集として、類書にはない中身の濃い一冊に仕上がっております。
ISBN4-390-11649-5 本体価格840円
352頁 2002年2月発行

目 次
潮来(いたこ)/顔と声/元はクラシック歌手を志願//ブルースの女王/地声つぶして新境地/長崎と雨/シンガー・ソングライター/運を呼ぶ歌手/ひょうたんから駒/渡辺はま子の「歌は世につれ」(上)/渡辺はま子の「歌は世につれ」(中)/渡辺はま子の「歌は世につれ」(下)/歌唱拒否/ペンネーム/メロディー先行の歌/バタやんとNHK杉山アナ/歌碑/マドロス歌謡/明るい歌/鶯芸者歌手/二匹目の泥鰌(どじょう)/作曲は電車の中/原曲とイメージ違う訳詞/オチがついた歌/オリジナル・シンガー/題名に女性の名が付いた唄/意外な音から生まれた旋律/歌手名を冠(かんむり)にした曲/ひばりと山田耕筰/ひばりのマドロスもの/西沢爽作「波止場だよお父つぁん」/津軽の抒情演歌/アチラ盤が企画のヒント/運命のデビュー曲/“ひとり歩き”の唄/日本マーキュリーの盛衰/第二のひばり誕生/港の涙唄/月を題材に/不滅の韓国メロディー/父の曲歌う娘/そっくりソング/裏面ヒット/披露宴で歌い継がれた唄/「有楽町で……」のヒット/洋画の題名ヒントに/浪曲師出身/東京見物/台詞入りの歌/一卵性双生児デュオ/器楽曲プラス歌詞/名マネジャー/“僧籍”歌手/日本特産リズム“ドドンパ”/ムード歌謡コーラス/ロカビリー「三人ヒロシ」/一発勝負/デュエット・ソング/“代役”で脚光/映画俳優の歌/題名/渡り鳥/小林旭の俗謡シリーズ/山男の歌/戦争の影を落した歌/音楽の早慶戦/童画歌謡/別れの涙/意外に大受け/詞が動く/将棋の歌/路線変更/川がテーマの曲/歌声喫茶/スキヤキとスシ/国際色豊かな唄/親子二代で同じ唄を/五月みどりの「来てね四部作」/同時録音が生むドラマ/安上がり伴奏/衣装/二種類のデビュー盤/歌う映画スター/芸名をめぐる因縁/女を「ひと」と読ませる唄/性“転換”/星野哲郎のどっこ唄/史上初の競作/スポーツをテーマに/第二の校歌/よく似た曲/京都を題材に/沖縄をテーマにした歌/トイレで浮かんだ名作/突然の放送禁止/題名を変えた/網走番外地/リレーでヒット/失声症/歌手と詞を変え再発売/縁起いい「赤い風船」/ご当地ソング/俳優の歌ゼリフ/裕次郎のハワイアン/改名効果あり/チョンマゲ歌手/ルーツはCMソング/自主盤/ため息ブルース/ちびっ子路線/小林旭「情愛三部作」/しびれ路線/劇画に縁のある歌/えっ、グランプリ?/執念/お色直し/ちょっと変な歌詞/見せる歌謡曲/東西お笑いグループの競演/歌手名や曲名入りの唄/大ヒットの後で/歌詞を変えて蘇生/同名異曲/買い取り/敏いとうとハッピー&ブルー/カバーバージョン/ロングセラー/運も実力?/歌詞を間違える唄/望郷の念を込め/連呼効果/スピード作曲/酒の唄/酒の肴/演歌不振/大阪弁のブルース/一度だけ/遅咲き新人賞/踊っていい曲/新路線“家族演歌”/名曲の堀りおこし/注目度大巾アップ/台湾の歌姫たち/「紅白」で引退/福岡・博多/卒業をテーマに/ひばりの再来/父娘紅白出場/惚れ込んだ曲/カラオケのデュエット/草木にちなんだ唄/水木かおるの花詩集/がんばれ千昌夫/友達を励ます唄/家族の絆テーマ/中田喜直を悼む/二十世紀最後のヒット曲/井上陽水のカバーアルバム/演ドル男性版/坂本九の「明日があるさ」
 あとがき
 人名索引

 あとがき
 いつの時代にも世相を彩(いろど)り、人びとの心に残る歌がある。『歌謡曲おもしろこぼれ話』は、こうした名曲の裏側に隠れている、こぼればなしを紹介した読物。基本的には、平成十年一月十日から平成十三年三月三十一日までの三年三ヵ月間、『読売新聞』夕刊に毎週土曜に連載した『歌謡史外伝』をまとめたものである。
 平成九年晩秋、『読売新聞』の原田信男芸能デスクから「20世紀が終わりということもあって、戦後歌謡史のようなものを書いてみないか」と、有難い執筆のチャンスを頂いた。それも「三十歳代から六十歳代の読者をターゲットに、専門的な難しいものではなく、一回一回が気軽に楽しく読める読み切りで、年代もバラバラ、話題もバラエティーに富ませて書いて欲しい」という注文であった。
 執筆に当たっては、スキャンダラシーな話、プライベートなことは意識的に避けた。スターの裏話にも面白いものが沢山あるが、それよりも歌が出来るまでのエピソード、ヒットさせるための苦労話にスポットを当て、サラリと紹介したつもりでいる。
 私自身、レコード会社の中に長くいて、ずっーとディレクターをやっていたので、どうしても苦楽を共にしたアーチストの話が多くなっている。これは致し方ないことと思っているが、その意味では“自分の歌謡史”かもしれない。

 連載読みものを文庫本化するに当たって、次の点を改めている。
一、『歌謡史外伝』の表題を、内容がより分かるように『歌謡曲おもしろこぼれ話』に。
二、先週、三年前、昨年、本年などと表現したところは、具体的に昭和○年○月というように。
三、年代がバラバラで並んでいたのを、大まかに年代別に並べ直した。
四、平成十三(二〇〇一)年十二月現在でデーターの変更、気付いたところを訂正・加筆した。
五、それに、最近の話題五篇を追加した。……
……読者のみなさん個々が思い出多い時代の歌をプリズムとして心が癒やされ、明日の活力にすこしでもお役に立てたら……。そんな朧気な気持でペンを走らせた。

 平成十三(二〇〇一)年十二月十五日  長田焼二
読売新聞社文化部『この歌この歌手』はこちらへ
著者略歴
長田 暁二(おさだ ぎょうじ)
1930年 岡山県に生まれる。
現 在 音楽文化研究家、音楽プロデューサー。
著 書 『童謡歌手から見た日本童謡史』(大月書店)『日本の民謡(東日本編)』『日本の民謡(西日本編)』 (現代教養文庫=社会思想社)ほか多数。

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