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『われらが日々』 中山 幹 著 |
オーストリア映画『ブルグ劇場』の字幕に「エンデ」と出る印象的冒頭から、「滅びへ」「間奏曲」「混沌」と続く三部構成。映画館を出た高校生野上悟郎のマントの裾を吹き上げた強い風は、戦争へと突き進む時代の嵐を象徴するように、ミリタリストになることを拒む主人公をも、本土決戦の挺身兵として駆り出す。あやうく死をまぬかれ復員する彼の眼前に現れる瓦礫の原となった広島市街……。 何度か挫折を繰り返しながらも『源氏物語』の読破を試みる野上悟郎を中心に、同級生ながら大人びた安永、秀才富田、中学以来の友人麻生徹二と、野上がひそかに思いを寄せるその叔母で画家の恭子、鬱陶しい存在ながら意外性の白水、代用教員時代の同僚の竹山など、青春群像が交錯しながら、戦争は破局に向かっていく。 1300枚を越す大著に描き込まれた克明な記憶の裏付けには驚くばかりで、野上の想念として記される「(この時代を)断じて忘れない」というフレーズが一層きわだって伝わってくる。 |
四六判並製OD版 498頁 本体価格3,200円 ISBN4-9980800-2-4 2003年7月発行 ※この書籍は書店では購入出来ません。文元社へ直接ご注文して下さい。 |
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